行政書士制度は、戦後幾たびかの法改正があり、今般、やっと国民のための役立つ行政書士制度ができたところである。行政書士法は昭和26年に制定されたが、その当時の行政書士制度は、代書屋というイメージで、法律家とは到底思えない制度であった。つい40年前までは書類作成のみが業務で提出代行や提出代理は業務とされていなかったのである。それから幾たびかの法改正を重ね、契約交渉代理業務等を取り扱いでき得る法律家に成長したのである。しかも、令和7年6月6日に成立した改正法では、従来は「行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認等に関する行政不服申立代理」に限定されていたのであるが、改正法は、「行政書士が作成した」ではなく「行政書士が作成することができる」と範囲が限定されなくなったのである。例えば、従来は本人申請や行政庁の単独行為に対しては行政書士は代理することができなかったのであるが、業務が拡大されることにより国民の権利利益の実現に行政書士が貢献できる制度に改善されたことが重要であり、更に国民の利便性がかなり増加したことになるのである。一方で、行政書士法違反については、改正前は、無報酬なら違法とされないために、他の名目で報酬を得て脱法行為が行われてきたのである。しかし、改正法は、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」と脱法行為を許さない規定がおかれたのである。脱法行為を繰り返す、今までの無資格者は、「報酬はコンサルティング料です。」と嘯いて違法を繰り返してきたのである。そして、さらに大きな改正は、行政書士の使命を制定したことである。行政書士法第1条は、「行政書士の使命」とし「行政書士は、その業務を通じて行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もつて国民の権利利益の実現に資することを使命とする。」と改正されたのである。
以上の法改正を踏まえて私たち、行政書士有志は、ここに一般社団法人全日本行政書士連絡会議を設立し、国民に対して行政書士制度を正しく普及することにより、国民に対する行政書士の使命を実践する所存である。
令和7年6月8日
一般社団法人全日本行政書士連絡会議
発起人一同
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